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意味怖話を作ってみた7

  • 2011-12-31 (土)

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僕たちが中学生になってすぐの頃、心霊写真ブームというのが起こった。
噂では幽霊というのは強い光に照らされて実体が浮かび上がるものらしく、夜の学校や公園でフラッシュ撮影するとそこに幽霊が映り込むことがあるのだという。

「今日の深夜に小学校に忍び込んで撮影会しねえか。」

と言い出したのは剛史だ。剛史は中学一年生にしてすでに学校の番長的存在。小学生のときに剛史にひどくいじめられた経験のある僕は常に剛史の後ろをついてまわっていた。剛史はその撮影会に舎弟の竜平を誘い、当然のように僕もそれにつきあうことになった。

深夜の小学校というのはそれだけでも不気味なものであるが、その不気味さをいっそう際立たせていたのはその日の暗雲が垂れ込める悪天候だ。時折遠くから聞こえる雷鳴に竜平は明らかにびびっていたし、剛史も口では強いことを言いながらも内心の動揺は隠せていない様子だった。二人は並んで先に進み、僕も黙ってそれに従った。沈黙に耐えかねて竜平が突然話を振る。

「確か誠と剛史って6年生のとき同じクラスだったんだよなぁ。」
「ああ、心の友ってやつだよ。」

よく言うよ。剛史のいじめはひどかった。一度など冗談半分で教室の二階から突き落とされたことがあるのだから。僕にとっては幽霊より剛史の方がよほど怖く感じる。剛史は廊下や階段に向けて何度もシャッターを切ったが、時折突然後ろを振り返り僕の方にカメラを向けるものだから、慌てて身をかがめなければならなかった。そのたびに剛史は

「誠、写真に入ってきたりすんなよ。」

と嫌な笑いを浮かべながら言った。

最後にたどりついたのは昔の教室だ。怖さも麻痺してきたせいか懐かしいという気持ちが先に立つ。剛史と竜平は何枚か写真を撮りながら、
「誠が落ちたのって確かここからだよ。あれは洒落にならなかったよなぁ」
などと軽口を叩いている。

まったく。冗談じゃない。
写真を撮り終え、二人は教室を出ようとしていた。
そのときちょっとしたいたずら心が芽生えた。
僕は窓に近寄り、わざと思いっきり音を立ててカーテンを開けた。

その音にびっくりして二人が振り返る。予想外だったのはタイミング良くそのとき近くに雷が落ちたことだ。稲光が教室の中を照らし、雷鳴がこだまする。

二人は僕の顔を見ていた。その顔がよほど怖く見えたのだろう。

「誠、、、おまえ。」
「ちがうんだ、、そんなつもりじゃなかったんだ。」

逃げていく二人の背中を追いかけながら、思った。やれやれ、ちょっとやり過ぎただろうか。剛史も大きな口を叩いていたが意外と臆病なんだな。

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