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意味怖話を作ったみた6

  • 2011-12-28 (水)

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私がはじめてブラジャーをつけたのはクラスが小学校の高学年になったときだ。もちろん自分で買いに行くのは恥ずかしいので、母親のものをこっそり拝借していた。

この時期の女子は急激に大人っぽくなるというが、とりわけ私のクラスの女子は「発育」が早かったように思う。まわりの女子がどんどんブラジャーをつけはじめるのを見て、それがどんなものなのか少なからず興味がわき始めていたし(もっとも私の胸はまったく膨らんではいなかったけど)、それをつけることで別の世界が開けるような期待もあった。

思えばあの「視線」もそのことがきっかけだったのかもしれない。

小学校の高学年クラスには副担任がつくことになっている。
副担任は教室の後ろに立って授業の補助をしたり生徒の個別指導をするのが役割だ。
私のクラスの副担任は50歳くらいのベテラン男性教師が務めることになった。

あるときから私は彼の目が教室の後ろからずっと私に注がれているのを感じるようになった。
さりげなく目を送るときには必ず副担任と目が合うのだ。
間違いなく彼は私を見ている。
まるで私のシャツの奥を見透かそうとしているようなぞっとする視線だった。
それは授業中だけにとどまらなかった。一度など私がトイレに入ろうとしているのを物陰から見ていたこともあった。

私はそれらをすべて気のせいだと思い込もうとしていた。あのとき彼の行動の意味をもう少し深く考えていれば事件は起きなかったのだ。

ある日、学校から帰ると玄関に見慣れない革靴が置かれていた。
居間に入ると母親と校長先生が神妙な顔で向かい合って座っていた。
母親が少しうわずった口調で言った。

「ここに座って。校長先生からお話があるそうよ。」

動揺を抑えて私は母親の隣に座った。校長先生はゆっくり言葉を選びながら話し始めた。

「実は今日学校の女子トイレでこれが見つかってね。」

それはデジタルビデオカメラだった。まさか、、、私は息が止まりそうになった。

「君にとってはつらい映像になるかもしれないが、これを見て欲しいんだ。」

嫌な予感は的中だった。再生された映像には女子トイレの個室にいる私の姿がばっちりと映っていたのだ。驚いたのはそれだけではない。私が個室から出て行って5分後に男性がそこに入ってきた。そこに映しだされていたのは間違えようもない副担任の顔だった。副担任は満足げにカメラに手を伸ばす。そこで映像は途切れていた。

「これはとてもデリケートな問題だ。学校としてもこのようなことを見逃すわけにはいかない。でも、そのためにはこの映像に映っているのが間違いなく君であることを君の口から警察に証言する必要があるんだ。分かるね」

母親が取り乱す。

「そんなことをしたらこの子は、この子は学校にはいられなくなります。なんとかならないんですか」

校長先生はためらいながら、しかしはっきりとした口調で言った。

「お母さんにとってもお子さんにとってもつらい気持ちは分かります。しかしこれは許し難い犯罪なんです。犯罪を犯した人には罪を償わせなければいけません。」

震えが止まらず、私はずっとうつむいてた。許せない。あの副担任はやっぱり私に目をつけていたのだ。

「一緒に警察に行ってくれるね。」

まだいろいろな感情が私の中で渦巻いていた。でも逃げるわけにはいかない。私は黙ってうなずいた。

次の日、新聞各社は学校の教師による不祥事をトップニュースで伝えた。

【トイレで盗撮未遂、犯人は担任の男性教諭】

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解説 (文字を反転させて読んでください)

副担任はずっと担任の男性教諭のことを怪しんでいました。
そして彼がトイレにカメラを仕掛けるのでないかと監視し、
その犯罪を未然で食い止めたのです。

副担任が担任を怪しみ始めたきっかけは彼のシャツからすけて見えるブラジャーです。
副担任はそれで担任が最近女子に興味を持ち始めたことに気づきました。

そうです。この文章の書き手はクラスの担任の男性教諭なのです。


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