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はるのうた

  • 2010-04-11 (日)

ふと思い立って春の歌。

世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

「桜なんてなければ春はもっと心のどかに過ごせるのに」。読解を間違えると、桜が大嫌いな人になってしまいますが、本心はもちろんそれほどまで自分の心を揺り動かす桜の美しさを讃えているのです。失恋をした女の子が「こんな思いをするくらいなら、いっそ恋なんてしなければよかった」って言っているのと同じ精神構造ですね。そう考えると、とてもかわいらしい歌だなと思ってしまいます。

散る桜 残る桜も 散る桜

難しい言葉を全く使っていない、にもかかわらずこの歌のスケール感って何でしょうね。「散る」桜ではなく、「残る」桜に目を向け、そこから死生観まで浮かび上がらせる視点の見事さ。自分の身近な人の死に遭遇したとき、仲の良かった人が職場から去っていくとき、この歌を思い出すとやりきれない気持がふっと救われるような気がします。

その子二十櫛にながるる黑髪のおごりの春のうつくしきかな

1世紀以上前の与謝野晶子の歌には驚くほど現代を感じます。逆境の中に、尖がりながら、なお凛と立つ女性像。「おごり」というネガティブな言葉に「うつくしさ」を見ている眼差しは暖かいですね。元祖ツンデレ。いや、デレかどうかは僕の想像でしかないですけど。

電車の窓からは名残桜が風に舞っているのが見えます。

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