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検索機能は整理という概念をなくす

  • 2009-12-25 (金)

年末になると大掃除と称して、パソコンの中身の掃除をするのが恒例です。あ、こう書くと裏蓋をあけてすっかり埃のホワイトクリスマスと化した基盤やケーブルをきれいに清掃するという意味にもなりますが、ここで言っているのはデータ整理のこと。いらないソフトをアンインストールしたり、バックアップをとったり。

結構な時間がかかるのが無秩序に散らばっているファイルをフォルダーに分類して整理しなおすという作業です。フォルダーの構造やフォルダー名を考えるのに試行錯誤することもしばしば。

こういう作業で頻繁にお世話になるのがファイルの検索機能です。僕のオールドタイプなイメージではファイル検索なんてものは5, 6分間ハードディスクをガリガリガリガリやった挙句に何も見つからずに終わるのが関の山だったのですが、最近の検索機能は非常に強力です。ほぼノータイムで必要なファイルをずらりとリストアップしてくれる。

便利なものだなと感心しながら作業を進めていてふと気づきました。あれ、じゃあ僕は何故ファイルの整理をしているのだろう。

整理をすることの最大の目的は「必要なときに必要なファイルに素早くアクセスできる」ことです。テーブルの上に乱雑に散らばっている書類から目的の物を見つけ出すのは大変ですが、目的ごとのラベルのついたクリアケースに分類されていたり、日付順に並べられたりしていれば、その情報をたどることで効率よくそれを見つけられる。この「整理する」の感覚をコンピューター上に持ち込んだのが、フォルダやファイルを階層構造で管理するという概念です。

でももはや「必要なときに必要なファイルに素早くアクセスできる」という目的は高性能な検索ツールによって包含されてしまっています。深い場所にあるフォルダーを記憶をたどりながら探っていくより右上の検索窓にキーワードを打ち込む方がずっと早い。極端に言えばすべてのファイルを1つのフォルダーにいれていてもなんの問題もないのです。僕らがやるべきことはファイルに対して検索しやすいように適切な属性を張り付けておくだけです。よく考えればiTunesというソフトはこのコンセプトで曲を管理していますよね。

「フォルダ」や「ファイル」はデータ管理を日常感覚に置き換えるメタファなのですが、このメタファ自体がもう時代遅れなのかもしれません。「散らかった机の上」のイメージは「それを整理しないといけない」という方向に僕らの行動を誘導してしまいますが、最近のコンピューターは奥の見えない深いほら穴ににどんどんものを放り込んでいく感じが適切です。欲しいものがあればそれをイメージしながら穴に手を入れれば、すぐにそれが手に入る。そんな空間では「整理」などという概念は存在しません。

これを書いていて、はたと気がついたのは、これってまさにドラえもんの「4次元ポケット」ですよね。昔読んだドラえもん百科に書いてあった4次元ポケットの仕組みはまさにこれでした。改めて藤子不二雄先生の偉大さを知りました。適切なメタファが人の行動を適切に誘導するものだとすればこれから「フォルダ」ではなく「4次元ポケット」と呼ぶことにすればいいのではと本気で思います。

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