- 2009-07-31 (金)
アカデミー賞も受賞した短編アニメーション「つみきのいえ」。いまさらながら見ましたが、いまさらながら素晴らしかった。言葉はなく、必要最小限の効果音とBGMで進行するわずか12分のアニメ。でも、まるで良質のパントマイムを見ているような気分になります。
水面の上昇によって上に上に積み木のように積みあがっていく家。すごくうまいのは上下と言う空間軸が自然に未来過去の時間軸にすりかわる点ですね。水面は未来と過去の境界線となり、上に家を建てるという行為は未来へ向かうもの、潜水服を着て水の中に潜っていくという行為は過去へ向かうものとなる。単なるメタファーとしてではなく。
僕が好きなのは、おじいさんの感情の起伏がほとんど描写されないところですね。むしろ無感情に淡々と物語が進んでいき、唐突に終わる。でもそのラストワンシーンがどうしてあんなに泣けちゃうんだろう。
「泣けるドラマ」とか「泣ける映画」なんてよく言うけど、僕も大分とひねくれた感じに年を取ってきたのか、その設定でそういうことやられたらそりゃ泣くだろう、みたいなのがどんどん苦手になって来てます。例えドキュメンタリーだったとしても、余命何日とか、幼くして障害をもった子供がとか、テレビでやっていたら即チャンネルを変えますね。泣けないからじゃないです。というより、見たら100パーセント泣くと思います。でもそこで泣いている自分にちょっと嫌な感じになるの。うまく表現できませんが、それは上からの涙のように思えてくるのです。泣くことによって自分を持ち上げようとしてませんかって。
でも、このラストシーンで泣いている自分は素直に好き。
久々によい作品に会えたって思えました。
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