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完走

  • 2009-06-22 (月)

ずっと書こうと思って書くタイミングを逸し続けていたのですが、今日からちょうど一か月前。5月22日に「人生初めて」を達成しました。

マラソン 42.195km 完走

もちろんいつかこの距離は走ろうとは思っていました。でももしそれを成し遂げる日がくるとしたら、市民マラソン大会か何かにエントリーし、何ヶ月も前から入念に体作りをしてその日に臨むことになるのだろうなと漠然と思っていたわけです。

でもきっかけというのは唐突に、予想外の形でやってくるもので。達成したのはふらりと始めた深夜の一人ランニング。細かく書くと話が長くなるのですが、とにかくその日は走って無心になりたい気分になることがあったのね。走り始めたのは夜中の9時過ぎ。夕ご飯も食べ、ビールも一杯飲んだ後のことですよ。とてもベストのコンディションとは言い難い。

漠然とした目標として、京都市をなるべく大きく取り囲む円を作ってみようと思いました。北大路通りからそのまま西大路通りを南に下り、JRの高架をくぐり、九条通りへ。そこを東に進んで、東寺やみなみ会館の脇を通過。京都駅横の高架をまたぎ、七条通りから東に。三十三間堂の横を通り、ここから東山通りを北に向かいます。八坂神社を右手に見ながら三条通まで北上しここから再度東に。蹴上まで来たら今度は白川通りを北上。そのまま北山通りまで上がります。ここから西に。そのまま堀川通りまで帰ってくるという経路。

とてつもない距離だけど、最初からいけるとこまでいこうと腹を決めて走っただけあって意外と苦もなく家の近くまで帰ってこれました。でも僕の中ではこの時点でもう40km近くは走っただろうという気でいたのね。なんだマラソンの距離くらい走れちゃうもんだって。ところがiTouchの表示を見てビックリ。

31km

え、まだそんなものなの?

いや、でもここでね、もし表示されていた距離が「29km」だったらそのまま家に帰って寝てたと思うんですよ。それが「31km」です。到底走れないと思っていたフルマラソンまであと10km余り。このくらいの距離は普段短めのランニングで普通に走っているわけ。これは走りきりたくなるでしょ。もちろんマラソンはここから先が地獄だということはさんざん情報として聞いてます。でも、折角ならその地獄を味わって見ようじゃねえかってね。

かなり腹をくくった気でいたのですが、それでもこのときの僕の考えは甘かった。この後の10kmは初マラソンで誰もが浴びるという「35kmの洗礼」が何の誇張もなく事実だと言うことを再確認させるものでしたね。

足につけた錘がどんどん重さを増してくるような感覚。5km進むのに感じるのと同じ疲労感を次の1km進むのに感じ、その同じ疲労感を次の200m進むのに感じるという疲労等比増大の原理です。ちょうどアキレスとカメの話みたいなことね。まずい、これを繰り返すと、理論的にはある一定の距離の手前で疲労が無限大に発散し、それ以上先には進めないことになってしまう。意識朦朧の中でもそういうことを考えてしまうのは我ながらさすが数学科です。

こういうとき自分を支えるのは、陳腐でありきたりな信念だね。走ることについて最も信頼できること、それは足を前におくった分だけ、自分は確実に前に進めるってことです。今度路上詩人になったときは手作りの紙に下手ウマな字で書いてやろうと思います。

1人マラソンだから、ゴールラインがあるわけでもなく、倒れこむ僕を誰かがバスタオルでくるんでくれるわけでもない。ただ淡々と増え続ける画面の数字がある瞬間に「42.195km」を示すだけです。終わってしまうと余りにそっけない達成。数分前まで極限状態にいたのが信じられないくらい。あ、これがそうなんだって。ちょうどね、童貞喪失の感覚。言い得て妙な気がする。

でも、この瞬間はきっと一生忘れないと思います。この夜の京都の風景とともに。

初マラソンのタイム
3時間20分14秒 ペースは4'42秒/km

Comments:2

かい 2009-06-23 (火) 13:36

完走おめでとうございます。
「パフォーマー&走れる数学講師」 池田洋介ですね。

池田洋介 2009-06-23 (火) 23:47

感想ありがとうございます。
池田先生はいったいどこを目指しているんですか、ってよく言われます。

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