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雑感01

  • 2009-03-02 (月)

電車の僕の斜め正面に座っている女性、おそらく音大生、が譜面を見つめながら人差し指でトン、トン、トンとリズムをとっています。首はそれに合わせて軽く揺れ、口は音にはならないギリギリの声で歌を口ずさんでいるようにも見えます。楽譜のさっぱり読めない僕にはその感覚は全く分かりませんが、きっと彼女の頭の中では大ホールのオーケストラにも負けないダイナミックな音楽が奏でられているのでしょう。

ふと思いました。ひょっとしたら彼女はその音楽に感動することがあるのかもしれないな、と。他の誰にも聞こえていない、彼女の頭の中だけで鳴っている音に涙を流すことができる。それはとても不思議で素敵なことのように思えました。

どんなにおいしそうな食べ物の写真を見てもそれでお腹いっぱいになることはできません。でも音楽家は譜面を見て、生演奏を聴いたときと同じ感情を生み出すことができます。棋士が棋譜を見て、対戦者の思考の跡をたどるように。数学者が数学の定理を見て、それを発見した人と同じ興奮を覚えることはできるように。

人間の想像力というのは奥深いです。

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