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鏡を見るために鏡を見る人はあまりいない

  • 2009-01-12 (月)

色々な仕事が一段落ついたってことで、恒例の東急ハンズ徘徊してきました。特に目的も無く、出来る限り頭を空っぽにして東急ハンズのすべての階のすべての棚を見て廻るという、池田流1人ブレインストーミングです。

連休の中日ということもあり、いつも以上にごったがえす店内。家具などが置いているフロアをうろうろしていたとき、カップルで来ていたある女性の言葉が耳に入ってきました。

「あ、鏡だ。私、鏡を見るのすごく好き。」

ふと目をやるとその子は展示されている鏡をしげしげと眺めながら

「かわいいー」

を連発していました。

ちょっと面白かったのは、その女性は本当に鏡そのものに興味があって、文字通り鏡を見て「かわいい」を言っているんだと思うのですよ。でもね、傍から見ている人にはその子が鏡の中の自分の顔に対して「かわいい、かわいい」って言っているように見えるわけ。僕も一瞬勘違いしたからね。うわー、ものすごい自分が大好きな子なんだなって。いや、でも実際どっちなのかは当事者以外には断言できないのですが。

こういう錯覚を思わず起こしてしまうのも、鏡を見るために鏡を見る人なんてそれこそ家具売り場くらいにしかいないからですよね。鏡を見るという行動をとる人の99.9パーセントは鏡が見たいのではなく、自分が見たいのです。

ふとこの言葉を思い出しました。

「昨年、4分の1インチ・ドリルが100万個売れたが、これは人びとが4分の1インチ・ドリルを欲したからでなく、4分の1インチの穴を欲したからだ」

セオドア・レビット「マーケティング発想法」という本からの引用。去年、何かの記事で読んで久しぶりにハッとさせられた言葉です。1/4インチ径の電気ドリルを買おうとしている客に対して下手な営業マンはさまざまな電気ドリルのラインアップを示し、その価格や性能の違いを懇々と語るのですが、本当に上手い営業マンは客にこう問いかけます。「あなたはどこに、何の目的で穴を開けたいのですか」。それこそが客にとって第一義的な質問となっているといいます。

人は鏡を見ているのではなく、鏡の向こう側に見えているものを見ている。

こんな当たり前のことでさえ、僕等は言われるまで無自覚でいるものなんですね。鏡を見るのが好きだという女性に贈るべきプレゼントは、鏡ではなく、美容品です。時刻表を眺めるのが好きだという人に贈るべきプレゼントは、新しい時刻表ではなく、電車のチケットです。単純なことだけど、そこに頭が回るか否かはすごく大きな差のような気がします。

今日の一言
ショーウィンドウに目をやるほとんどの人は商品ではなく自分の姿を見ている

Comments:1

センターウケた学生 2009-01-18 (日) 23:41

勉強が好きだと言ったら、合格通知はもらえますか?

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