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天高く馬肥ゆ

空は頭上に限りなく広がっているもので天井なんてないはずなのですが、それでも「天高く」という表現はまさにこれを言い表したものに違いないと確信させるほど見事な秋晴れの空ですね。闇にも深さがあるように、永遠より遠くがあるように、空にも高さがあるのです。無限に続くものに大きさの差を認識する人間の感性はなかなか面白いですね。カントールなら今日の空を見て「この青空はアレフ2だ」とかなんとか言ったのでしょうか。

思えばここ近年、ああこれぞ秋と感じさせる日が少なかったです。10月になっても11月になっても夏の気配がくずぐずと残り続け、小さい秋も大きい秋も見つけられぬまま気づいたら冬になっていたというパターン。振られた男の未練みたいなもので、ちょっとみっともないね。最近の秋にはちょっとそういう女々しいところがあるのよ。夏のことはもうきれいさっぱり忘れました、今ではいい思い出です、秋にはそう言い切って欲しいのです。でも今日の澄み切った空を見て、あ、もう大丈夫だなと僕は思いました。やったじゃん、ちゃんと吹っ切れたじゃん。

ちなみに「天高く馬肥ゆ」という表現に僕たちは澄み渡った空に食欲の秋というすがすがしいイメージを連想をしますが、これはもともと中国の国境沿いに住んでいた農民の諺で「秋になると馬に乗って略奪にくる蒙古人に気をつけろ」という警告の言葉だという話を聞いたことがあります。日本人の「侘び寂」の精神性を育んだ大切な季節も、中国の農民にとっては脅威の対象でしかなかったのかもしれませんね。この抜けるような青空にも現代に通じる日本と中国の文化の差が垣間見えます。

今日の一言
開晴の空

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