Home > 発見 > 蛇口道

« 前向きな言葉 | メイン | メタな視点 »

蛇口道

どんなに時代は進歩しようとも、ビジネスホテルの洗面所の蛇口は昔ながらの赤色のハンドルと青色のハンドルに分かれていてそれぞれからお湯と水がでるタイプのものと相場は決まっています。このタイプのハンドル、最近は余り見かけなくなりましたので、使ったことがない若人は結構いるのではないでしょうか。しかしそれでは社会人になってビジネスホテルに泊まったとき痛い目を見ることは間違いなしです。人生の先輩としてこのタイプの蛇口に出会ったときの正しい対処法を今日は書き記しておこうと思います。

まず心得ておかないといけないのはビジネスホテルのお湯は尋常じゃなく熱いです。何故こんなに熱くする必要があるのかフロントに問いただしたいくらい熱いです。ですからやけどをしたくなければ必ず最初は水から。それから水温に注意しながらちょっとずつお湯の方を開けて適温にします。閉めるときはこの逆、まずお湯から閉め、次に水を閉めます。基本中の基本です。

開けるときは水から、閉めるときはお湯から

適温になったとしても水の量が適当とは限りません。水の量が少なすぎると水がシャワーを這うようにしか出てこず、シャワーがシャワーを浴びているような状態になります。逆に多すぎるとシャワーというより滝に打たれてるようで命懸けな感じになります。そのままあきらめて根性と創意工夫で浴びきるのも1つですが、もし適量にしたければ、初心者であれば素直に両方の蛇口を閉め、もう一度最初からやり直しましょう。最初の水の量を変えて何度かやればちょうどいい水量が見つかるはずです。

水量が合わない場合は最初からやり直す

しかし、もしお湯と水のハンドルを両方ひねりながら適温かつ適量になるように調整しようと思うのならそこには深遠なる蛇口道が待っています。お湯と水のハンドルを同じ角度だけひねって調整すれば水温が変わらないと思う人が多いですがこれは勘違いです。水の量をx, お湯の量をyとすると水温はこの比y/xで決まると考えられます。もしこれらの量をともにdだけひねって水の量をx+d, お湯の量をy+dとするとこの比(y+d)/(x+d)は変わってしまいます(下図を参照)。水温が高くなってしまい、それを薄めるために水を加えると、予想以上の水量になって途方にくれるという悪循環。うーむ、奥が深し。素人が安易に立ち入るとやけどします。文字通り。

20080822_01.gif

数学的に考えるとこの困難というのは水量(x+y), 水温(x/y)を調整するのに水の量(x)とお湯の量(y)というパラメータを取っていることに起因しているのです。最近の新しいタイプの蛇口はレバーの左右で水温を上下で水量を調整しているものがほとんどでしょ。これはxyの直交座標に対してr(水量), θ(水温)の極座標を取っていることに相当すると解釈することもできますね。なるほど同じ2つのパラメータでもやりやすさは天と地ほど違う。直交座標と極座標の説明をするとき僕はいつもこの2つのタイプの蛇口の違いを連想してしまいます。問題に対して適切な座標系をとることの大切さがこんなところから分かります。

20080822_02.gif

今日の一言
蛇口道は蛇の道

Comments:1

hirohata 2008-08-23 (土) 11:57

蛇口道とは、なんぞや?と読ませて頂いたのですが、
ビジネスホテルのお湯のあの熱さについては、同感です。
水と共に流すが故に高め設定にしているのか、
適温になるまでは、恐ろしい破壊力を持っていますね。

んで、適温になったのはいいけど、適量じゃないな、
適量にしたけど、適温じゃないな、という、
長年の経験則を、的確に説明して頂いたので、
溜飲が下がる思いです。

ビジネスホテルの設備で、ホテル業界としては改善される点を、
見逃すことなく捕らえて、
数式とグラフをもって説明する、
ようすけくおりてぃ満載の文章、
楽しませて頂きました。

Comment Form

コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。

Remember personal info

Home > 発見 > 蛇口道

Search
Feeds

Page Top