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会議の煮詰め

「煮詰まる」の意味を本来と逆の「結論が出せない状態になること」だと思っている人が10~30代の7割に上ることが24日、文化庁の国語に関する世論調査で分かった。

文化庁は時々こういうひっかけクイズのような世論調査をしますね。「汚名挽回」のような明らかに齟齬のある言い回しは誤用と言っていいでしょうが、「煮詰まる」なんてのはニュアンスの問題だからね。7割の人がそうとらえているのならもうそっちが正解だよ、と思わなくもない。そもそももし煮詰まるが「結論がでる状態」のことなのであれば僕は未だかつておいしく煮詰まった会議に遭遇したことはありません。ほぼすべての会議はみんながてんでばらばらの素材を持ち寄って、最終的に誰も食べることができない闇鍋のようなものができて終わります。

ただここでむしろ興味があるのはどうして「煮詰まる」という本来肯定的に受け止められるべき状態が否定的な意味合いを持つ言葉になってしまったかです。これを考えていたときこれと同じ感覚を持つ若者言葉があるのに気付きました。

「テンパる」

もちろんこの言葉は麻雀用語から派生したものでしょうが、本来「テンパる」は『聴牌(てんぱい)する』、つまりあと1枚で上がりという状態になることです。であれば当然肯定的に受け止められてしかるべきなのですが、いつの間にかこの言葉は「いっぱいいっぱいになる」、「あたふたする」みたいな否定的な意味に使われるようになりました。この微妙なニュアンスは麻雀をやったことがある人なら分かるだろうな。テンパイの状態になると人はかえって不自由な状態になってしまうのですよ。危険な牌を引いてきたとき、あるいはより高い手を作ることができる可能性があるとき、にも関わらず目の前の上がりにこだわってそれが見えなくなってしまう。要するに柔軟性をなくしてしまうのです。「煮詰まる」からも何か似たような印象を感じませんか。

あるものがいったん完成する、あるいは完成しかけてしまうと冷静に状況を見て一歩後退する、一旦すべてをリセットするということがやりにくくなってしまう。そういう状況に対して若者の方がより敏感なのかもしれない。これに言葉のとらえ方の世代間ギャップの一因を見るのは少し乱暴でしょうか。

話はそれますが、いわゆる「煮詰まった」会議の中で使われる僕には理解できない専門用語の一つに「えいや」があります。

「もうそろそろ意見も出尽くしたと思いますので、あとはチーフがえいやって決めていただければいいかと思います。」

なんでしょう、このかけ声的なものは

今までのすべての過程をすっ飛ばしてあらゆることを解決してしまうウルトラマンのスペシウム光線並みの破壊力を持つ「えいや」。そんな秘密兵器があるのならお願いですから最初から使ってくださいと会議が大嫌いな僕は切に思う次第であります。

今日の一言
会議は踊る、されど煮詰まる

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