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可逆か不可逆か

可逆というのは元通りにできる、何度でもやり直しができるということ。
不可逆というのは一旦何かをしてしまったら二度と元に戻せないということ。

可逆か不可逆か。そういう視点で世の中のものを2分して見るとなかなか面白いです。

例えば玩具で言えばルービックキューブは何度でも遊べるので可逆なものだし、クラッカーや花火は一度遊んだら終わりなので不可逆なものです。次々にいろいろなものを取り出すステージマジックは不可逆的な芸ですが、ジャグリングはいつでも最初の状態に戻れるという点で可逆な芸です。映画を見たり、本を読むという行為自体は何度でもできますが、一度鑑賞してしまえば鑑賞する前の状態に戻ることはできないという意味では不可逆な行為だとも言えます。ジュースの缶は一度開けたら閉められないので不可逆ですが、ペットボトルは何度でも開け閉めできるので可逆です。

ちょっと面白いなと思うのは、ペットボトルのふたは確かに可逆ですが、よく見るとふたを開けたときふたの下部がちぎれて入れ物のほうに残るようになっていますよね。これはペットボトル内に異物を混入されることがないように一度開けたことを示す印をつけるための工夫らしいです。いわば可逆なものの中に不可逆な印をつけていることになります。こういう工夫は結構いろいろな所にあります。今話題となっているダビング10も本来何度でも繰り返し可能なダビングに制約をつけるために不可逆な印を媒体に刻み込む技術です。人間の細胞は何度壊れても再生する可逆なものですが、DNAの中には細胞分裂のたびに長さが短くなる領域があり、その領域がなくなるとそれ以上分裂を起こさなくなります。これが生から死に向かう生物の不可逆性を生み出しているのです。可逆の中の不可逆性。

一方でたとえばコーヒーに入れた砂糖がコーヒー全体に広がっていく拡散という現象は不可逆現象ですが、この単純な原理が地球規模で働いた結果、何度でも繰り返し循環する大気や水、熱のサイクルを生んでいるとも考えられます。不可逆の中の可逆性。

可逆が不可逆を内包しているのか、不可逆が可逆を内包しているのか。

戻すことができない時計の針を見つめ、絶え間なく繰り返す締切に追われながら、ふとそんなことを考えました。

今日の一言
「可逆反応」というと「化学反応」と言おうとして噛んだように聞こえる

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