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アビーロード

最近は大分体もランニングに適応してきたのか、少々の距離では悲鳴を上げなくなりました。普段は5kmほどですが、週に1回、時間のあるときを見つけて10kmの距離を走ります。北大路通りから鴨川を南へ。今出川通りを超え近衛通りまで下り、荒神橋を渡って折り返して帰ってくるとちょうど10kmくらいになります。

途中に休憩をはさまなければ時間として50分弱、これはビートルズのアルバムにうってつけの長さ、というわけで最近はもっぱらアビーロードを聴きながら走っています。曲のテンポもアルバム全体の時間もジャストフィット。レコード時代のアルバムは往路がA面、帰路がB面になるというのも面白いです。

「Abbey Road」。ビートルズの事実上のラストアルバム。4人が横断歩道を横切るジャケット写真は最も多くの人にパクられた構図としてギネスブックに載ってもいいのではないかというくらいあまりに有名ですね。ジョギングしているのが朝だからかもしれませんが、個人的にはこのアルバムには深夜から早朝、そして真昼間に向かう1つの時間軸を感じてしまいます。

序盤は夜のライブ。「Come Toghether」を始めとする定番のロックナンバーが続きます。お酒が入ってきたのか徐々にテンションが高まり、やがて深夜へ。朝の2時を超えて何しても笑えてしまうようなあの高揚感が訪れます。「I Want You」はそんなめくるめく混沌、悪夢。

それが急に途絶える。

ここで聞こえてくるのがジョージハリスンの名曲「Here Comes the Sun」です。まだ朦朧とする頭の中で妙に痛い朝日を浴びる。荘厳な印象の「Because」は朝の教会のミサの雰囲気。

さてここから、ラストまであの圧巻のメドレーが続きます。バラバラだけどつながっているのか、つながっているけどバラバラなのか。一晩明けて何かが吹っ切れたような多少やけっぱちな爽快さがあるな。とにかく一つ一つの楽曲が、本当にこれが解散を間近にしたバンドの演奏なのかと思わずにはいられない完成度の高さです。

メドレーの最後を締めくくるのが「The End」。ここにポールがビートルズ脱退の記者会見をする昔の白黒映像がかぶります。あの映像がどの時刻に撮影されたのかは分からないけど、僕の中ではあれは真昼間のイメージなのです。やるだけのことはやった、これでいいだろう、そうつぶやくような「Her Majesty」であまりにあっさりとアルバムが終わりを迎えます。

彼らの最高傑作と称えられながら、しかし決して完成してはいない。聞き終えるたびに切なくなるアルバムです。モーツァルトが生きていれば彼らと同じことをしたであろう。ビートルズをそう評する人がいます。それに準えればこのアルバムはまさにモーツァルトの未完のレクイエムなのかもしれないな。

ちなみに今活動休止で話題となっているサザンオールスターズの現時点での最新アルバム「キラーストリート」のタイトルおよびジャケットがこのアビーロードのオマージュであることは有名な話。これがサザンのラストアルバムにならないことを僕は心から祈ってます。

今日の一言
バンドの終焉は恋の終わりに何か似ている

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