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テレビのリズム

レッドカーペットがレギュラー化されたようですね。何人ものお笑い芸人が1分弱の短いネタを次から次にやっていく番組。オチとともにカーペットが動き、芸人がベルトコンベアーのように退場させられるその様からお笑いも大量消費、使い捨ての時代なのかなんていう揶揄も聞こえてきます。まるでファーストフード、スピードを求められる現代の象徴という気もしますが本当にそうなのか。

音楽の話に置き換えてみましょう。1曲が10分を超えることが珍しくないクラシック音楽と比べれば確かに現代の曲ははるかに短くなっています。ところがほんの3,40年前を考えるとどうか。いわゆるオールディーズの洋楽をみるとどれも1曲が2分から3分、アルバムにしても40分足らずしかないことに驚かされます。音楽がラジオやジュークボックスの普及で身近に楽しめる娯楽になったのがちょうど1950~60年代。そこでは曲の回転を速くするために(もちろんレコーディングの技術的な問題もあったのでしょうが)自然に短い曲が好まれたのです。しかしそれが曲の粗雑乱造を招いたかといえばそんなことは全くない。チャックベリー、エルビスプレスリー、ビートルズといったロックの黄金時代がまさにこの時期であることを考えれば言うまでもないことでしょう。

生の演奏を大ホールの席に座りじっくりと鑑賞する音楽、ライブハウスでお酒を片手に聞く音楽、レコードやCDで自宅で楽しむ音楽、その環境やニーズにあわせて音楽の長さはそれにふさわしいサイズに自然に変化していく。これはまるである環境下におかれた生物の大きさがほぼ同じになっていく生物学の原理とも通じるようで面白いですね。

芸にもその環境にふさわしい長さがあり、いまこのような番組が受けているのはこれが時代のテンポというよりこれがテレビのテンポだからなんだろうなと思います。2時間には2時間にふさわしい芸があり, 1分には1分にふさわしい芸がある。そして芸の質の高さはその時間によって決まるものではないでしょう。僕はどちらかというと古典落語やラーメンズのような作りこんだ笑いが好きなのですが、この番組のような瞬発力のある笑いもこれはこれで心地よいものだと感じています。楽しみな番組が一つ増えました。

今日の一言
芸が時間を決めるのではなく、時間が芸を決める

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