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相対

「春から新聞の文字が大きくなります」

というポスターが駅に貼られていました。どのくらい大きくなるのかという比較対象として従来の文字のサイズ、新しい文字のサイズが右左に並べられています。といってももちろん実物大の文字を並べたのでは遠くからは小さすぎて見えないので、どちらも実際の文字のサイズから同じ倍率で拡大されているのです。面白かったのはその下に言い訳のように

「このポスターの文字のサイズは実際の文字の大きさとは異なります」

と書かれていたこと。うん、大丈夫、それは言われなくても分かる(笑)。こんな握りこぶし近くもある大きさの文字が実際の新聞に書かれていると思う人はいないだろう。昔のポケベル並の情報伝達量かと。

ふと気づいたのは人が何かを評価するとき、その判断基準を絶対的なものより、相対的なものに頼っていること、あるいは頼らざるをえないことは意外に多いのではないかなということ。このポスターに実物大の文字が一つ書かれていたほうが情報としては正確かもしれませんが、遠くから見ることを意図して作られるポスターの場合はそれは逆に全く意味を持たなくなってしまいます。実際の大きさとは違っても、つまり情報としての正確さを犠牲にしても比較できる2つの文字を書くほうが目的に適っているのです。

いつも思うことなのですが「テレビの画質のよさを主張するテレビコマーシャル」にも同じところがありますよね。どんなに画質のよい映像を映してみたところで、消費者はそれを自分の家庭のテレビ画面を通してみるのですから、原理的にそのテレビの画質以上にきれいに映せるはずがないのです。このコマーシャルの持つ大きなジレンマ。でも不思議に「きれいな画面だな」と錯覚させられてしまうのはそのようなコマーシャルでは必ず画質の良くないほうの映像も同時に映して、それと比較させる演出をしているからです。これも人間の判断が相対に頼っていること、そしてそれをうまく利用していることの一つの例です。

この手法はパフォーマンス構成にもつながってきます。客にインパクトを残したい難易度の高い技があったとして、それを全体のルーティーンの中で効果的に見せようと思うなら、その「相対」となるものをまず用意する。これは一つのセオリーであると僕は考えています。ディアポロを20m投げ上げることができるならそれをいきなり見せるのではなく、その前にまず5m投げ上げて見せておく。3回転ピルエットが見せたいのなら、その前にまず1回転ピルエットを見せておく。そのほうが間違いなく客の反応は良くなります。客にとっての判断基準を作る、それだけで同じ技の印象が全く違って見えるのです。不思議なものですね。

今日の一言
合コンには自分より不細工な男をそろえるのがセオリーです

Comments:2

まつだ 2008-03-31 (月) 13:27

いわゆる、幹事MAXの法則、ってやつですね…

つっきー 2008-04-01 (火) 01:36

あまりレベルの低い子を集めると全体のテンションが下がるのでNGという説も。

…合コンなんていったことないです!

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