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PLAYの総括 (その2)

僕と目黒君の出会いは実は2000年の静岡までさかのぼります。大道芸ワールドカップの当日の朝、駿府公演で練習していたときに現れた何人かのディアボロ少年の1人が目黒君でした。初めてみる信じられない技のオンパレードに黒船を見た浦賀民衆に匹敵するほどの衝撃を受け、それがきっかけでその後しばらくとりつかれたようにディアボロを練習したのを覚えています。ただそれ以降はほとんど接点はなく、噂を耳にすることはあっても直接話しをする機会は全くありませんでした。この公演でしんのすけさんによって引き合わされ、8年ぶりの会話をすることになったのは不思議なめぐり合わせです。

最初に会って練習した時から感じたことですが、目黒君は誰にも負けないほどのジャグリングの技術を持ちながら、それに甘えずジャグリングの枠を広げようとする姿勢が素晴らしいですね。アイデアを思いつくこと自体は実はそれほど難しいことではありません。本当に大変なのはそれを形にする過程です。途方もない試行錯誤と失敗、それにへこたれない強い精神力が必要になる。そういうエネルギーを目黒君からひしひしと感じました。ちなみに僕と目黒君の大きな共通項は東急ハンズ好きであること。うん、それだけで分かりあえた気がする。

2人の普段やっているジャンルは微妙に違うのでいかにして絡みを作るかは企画当初から大きなテーマでした。最大のネックは互いの居住地の遠さ。直接会って練習する時間は必然的に限られてきます。練習量がそのまま結果に現れてしまうテクニカルな演目は避けざるを得ない。僕は2人の絡みはなるべく少なくし、ソロの部分でコンセプト的な関連を持たせるような作りが現実的だと思っていたのですが、目黒君はやはり最後まで2人でのジャグリングにこだわりました。お互いができる範囲の単純な技をつなぎ、かつジャグリング的に面白いものを作る。難しい課題ですが、それにあえて挑むという心意気。やっぱ年を取ると保守的になってダメだな。よーし、その若さに乗ってやろうじゃないの。

勝負は僕が東京入りした後に持ち越され、そこから実に本番前日まで試行錯誤は続きました。何も進展せずに1日が過ぎていったときもあり、さすがにこれはまずいんじゃないかと焦りが募る。でも追い詰められたときの人間にはある種の開き直りが生まれますね。とにかくなんでもやってみるしかないという気になっちゃうのです。3本の棒を固定し、それを交互に握っていくという(ばかばかしい)芸は実際に2人で棒を取り合いながら遊んでいる中で生まれたものです。あ、これ意外と面白いんじゃないのっていうノリがそのまま作品になる。そんな感じで本番まであと2日という瀬戸際で大枠ができ、そこからは演じることで作品が成長していきました。僕がやってみることに目黒君が応え、逆に目黒君がやることに僕が応える、そんな具合に最初は細かった芯が少しずつ肉付けされ、気付けば単なるつなぎだったはずの演目がソロに負けないほどのボリュームのある作品となっていきました。こういう作品の作り方っていうのは初めて経験しましたね。僕1人では絶対にできなかったものだし、とても新鮮でした。

アンケートを見ても2人の演目がよかった、もっと見たかったという感想が数多く見られました。今思っても冷や汗ものですが、本当にうれしい誤算。2人の演目にこだわった目黒君の判断は正しかったと思います。2日目の公演には厳しい批評をする目の肥えた関係者がたくさん来ていてどういう感想を持つのか緊張していたのですが、その1人のアンケートに一言「これは面白い!」と書かれていたのを見たとき目黒君とガッツポーズしてしまいました。よし、勝った(笑)!

もちろん反省点は山のようにあるのですが、それはまた次につなげていけると思います。今回の一番の収穫は新しく作ったネタでもきちんと受け入れられる自信がついたこと。古いネタに固執せずこれからも新ネタをコツコツと作っていけたらいいなと思います。今回このような機会をいただけた関係者の皆さん、無理な要望に応えてくれたスタッフの皆さん、見に来ていただいた皆さん、そして目黒君。本当にありがとうございました。

さあ、次の目標に向けて頑張るぞ!

今日の一言
壊すことは創作の第1歩である

Comments:1

海坊主 2008-03-25 (火) 23:52

公演、御成功おめでとうございます。
何時の日か演技をファインダーに収められる日を楽しみにしております。
では!

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