- 2008-03-12 (水)
- 学問
今年の京大の合格発表も終わり、教え子たちからもよい報告が続々と届いております。なんだかんだ言ってうれしいものですね。
僕はやはりどうしても京大の入試問題には思い入れが強くなってしまうのですが、数学講師として2008年度の京大数学入試の雑感を述べておこうかなと思います。結論を言うと今年の入試問題はここ数年の中でも抜群に質の高いセットであったなと思います。学力試験としての本来の入試の役割をきちんと果たしているだけでなく、数学的にも興味を引く京大らしいセンスの良い出題が多くありました。
特に面白いなと感じた問題を2つ紹介しておきます。問題の意味は誰でも理解できるものなので是非考えてみてください。
理系乙の3番。
空間上の1点Oを通る4直線で, どの3直線も同一直線上にないものを考える. このとき, 4直線のいずれともO以外の点で交わる平面で, 4つの交点が平行四辺形の頂点になるようなものが存在することを示せ.
分かりやすくいうとこういうことになります。1つの点から4つのばらばらの方向にレーザービームを出したと考えみてください。その4つのレーザービームかうまく当たるような場所に下敷き(平面)をおくと、そのレーザービームの光が当たった場所が下敷きの上で四角形を作るはずです。あなたはレーザービームの方向は変えることはできませんが、下敷きは自由に動かすことができます。うまく下敷きを動かすことでこの4点が平行四辺形になるようにできるでしょうか。それが必ずできることを示せというのが題意です。

実際に動かして微調整すればできるような気はするのですが、それをきちんと証明しろと言われると難しい。初等的にも解答できますが、高校で習うある道具を使うと鮮やかに解決。その道具がいかに便利なものかがこの問題を解くと良く分かります。
もう1つは文系の5番。まさに僕の好みのど真ん中の問題です。
正n角形とその外接円を合わせた図形をFとする. F上の点Pに対して, 始点と終点がともにPであるような, 図形Fの一筆書きの経路の数をN(P)で表す. 正n角形の頂点をひとつとってAとし, a=N(A)とおく. また正n角形の辺をひとつとってその中点をBとし, b=N(B)とおく. このときaとbを求めよ.
これも具体的にnが6の場合で見れば分かりやすいでしょう。下のような図形を一筆書きしたいと思います。出発点を頂点にした場合と、辺の中点にした場合で一筆書きの方法はそれぞれ何通りあるかということです。

この問題の興味深い点は、N(A)=2N(B)という関係式、すなわち頂点を始点とする一筆書きの経路の数が辺の中点を始点にする場合のちょうど2倍あるという関係が成り立つことです。それを鮮やかに説明する方法はないか。ずっと考えて思いついた瞬間頭がカチッと音を立てました。分かってみれば当たり前のことなんだけどね。是非トライしてみてください。ちなみに河合塾のサイトを見れば僕の作った解答を見ることができますよ。
京大の作問センスには毎年感心させられることが多いです。ちなみに河合塾の京大オープンも負けないように作ってますので来年の受験生の皆さん、是非受けてみてくださいね!
軽く宣伝でした。
今日の一言
数学のセンスは問題を解かせるより、問題を作らせた方が分かる
Comments:1
- 清水 2008-03-14 (金) 00:30
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池田さんの好みがわかりました。一筆書きは今年
一番難しい感じがしました。平行四辺形のやつは
理系の中で一番難しいですね。