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続・深夜の映画

「深夜の映画」で触れた「メルキアデス・エストラーダの三度の埋葬」についてもう少し。

実はこの映画の内容は前回のエントリーで書いた話と少しつながるところがあります。この映画のテーマはまさに罪を贖うということ、そして罪を許すということはどういうことなのかです。言うなれば、さだまさしの「償い」のハリウッドリメイク版だな(ちょっと違うか)。

舞台はテキサス州、アメリカとメキシコの国境付近。タイトルに登場するメルキアデスという男はメキシコからアメリカにきた不法入国者なんだけど、彼の心の暖かさに惹かれたアメリカ人のピートは彼と深い友情で結ばれる仲となります。あるとき国境警備隊のマイクという男がこのメルキアデスを誤って射殺してしまいます。それを知ったピートはマイクを拉致。死んだら故郷に埋葬して欲しいという生前の彼との約束を果たすためにメルキアデスの遺体とマイクを連れて、メキシコへ向けて国境を越えて旅をするという物語です。

このマイクというのがまた偉そうで、でも臆病者で、仕事しながらエロ本読んでいるようなどうしようもない男なんです。そして自分の過ちを絶対に認めようとはしない。職務上、不法入国者は殺されても仕方がないという気持ちももちろんあるのでしょう。一方のピートは非常に義理堅い男、というのは分かるのですがその行動も若干常軌を逸していますね。いくら友情のためとは言えそこまでするかと。

しかし長い旅の中で二人の関係は少しずつ変わっていく。さまざまな印象的なエピソードがあるんだけど、結局最後の最後、メルキアデスを埋葬した墓の前でマイクが泣きながら心から謝罪をし、ピートがすべてを許すんだ。なんの条件もつけず、なんら代償を要求することもなく。スパっと。それがすごく気持ちいい。その瞬間にどちらの人間も大好きになっちゃうのよ。素晴らしいラストシーンです。追及、追及で人の非を論ってばかりの社会に圧倒的に不足してるのはこういう無償の許しなんじゃないかって思うのね。

主演はあのトミーリージョーンズ。後でネットで調べるまで全く気づかなかったんだけど。深みのある演技もさることながら、これが彼の初監督作品というのだから恐れ入ります。ただの缶コーヒー好きの宇宙人だと思っていたけどそうじゃなかったんだね。感服いたしました。

今日の一言
この惑星の住人には「許し」が足りない

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