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絶対に笑ってはいけない

朝の京都市営地下鉄、特に京都駅で乗換えが便利な先頭車両は中途半端に込み合います。"中途半端"というのは体を動かすスペースはほとんどないのだけど、かといって首都圏の山手線のように駅員が各扉について乗客の安全確認をしなければいけないほどの深刻さではないという程度。一駅ごとに息継ぎをするかのように地下鉄は乗客を吐き出しては、吸い込み、京都駅に向けて徐々に膨張していきます。ちなみに僕がいつも立っているのは扉のすぐ脇、カップルで乗ったとき男が女を追い込むのに利用するあのスペースね。客の流れが激しいときも比較的落ち着いていられるエアポケットのような場所で僕のお気に入りです。

今日もすし詰めと言わないまでもふっくらご飯くらいには込み合った車内。事件は京都駅の数駅手前、烏丸御池駅で起きました。ここは東西線と交差する要の駅であり乗客の出入りが特に激しいところです。大量の乗客を飲み込み、やっとのことで扉を閉めた地下鉄が動き始めた直後、僕のちょうど隣、扉付近に立っている数人の若者のうちの1人が異変を訴えました。

「やべ、はさまってる」

満員電車ではカバンの紐なんかが扉に挟まってしまうことは比較的良くあること。きっとそういうことなのだろうと思っていたのですが、どうもそうではないらしい。

「やばい、やばい、髪が抜けないって」

髪?

そうなのです。なんとあろうことか彼は横髪をガッツリと2つの扉の間にはさまれて動けなくなってしまったのです。引っ張って抜こうとするのですが、一歩でも下がると髪が根元から引っ張られる。うーん、これはかなり痛そう。なすすべなくほっぺたが扉につくような状態でじっとしている彼。一緒に乗っていた友達は大爆笑。ただこの時点では当事者を含めまだ誰も事の本当の深刻さに気が付いていませんでした。次の駅が来て扉が開れば問題はすべて解決するだろうと。

しかし次の駅も、その次の駅も、開いたのは無情にも彼が挟まっているのとは反対側の扉。さすがに彼らの中にも焦りが見え始め、乗客はミニコントのような彼らの言動に無言の好奇心を寄せ始めています。

彼 「俺、こんなの生まれて初めてやわ」

うん、僕も生まれて初めて見た。

友達 「おれ、はさみ持ってんぞ。切ったらいいんちゃうか。」

おっと、まさかのリーサルウェポン。しかし、彼はこの申し出をあっさり拒否。

彼 「髪型が変になるし」

この期に及んで、なんて余裕の発言! しかし彼には実はある確信があったのです。

彼 「大丈夫、京都駅は絶対こっちの扉が開くはずやから」

そのとき乗客のほとんどが彼に「ダウト」と突っ込んだはずだな。通勤客なら誰もが知っているのです。京都駅で開くのも実は彼が挟まれているのとは反対側の扉だということを。いったいどこから来たんだよ、その確信は。みんな笑いたいけど、笑えない。ガキの使いの罰ゲームのような雰囲気が車内に充満してきました。

運命の京都駅に入る地下鉄。「来い,来い、来い」と必死で訴えた彼の願いはあっさりと裏切られ、動けない彼を残して乗客は反対側の扉から一斉に降りていきます。

ドンマイ

そう心の中で言い残して僕も電車を降りました。

ついでに言っとくとね、僕は知ってるんだなあ。そっちの扉、、、

終点の竹田駅まで開かないんだよね

でも、ドンマイ!

体を張って僕にブログのネタを提供してくれた彼らに、幸あれ!

今日の一言
扉が閉まりますので、笑いのカミにご注意ください

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