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メタファー

メタファー(metaphor)

隠喩
たとえを用いながら、表現的にはその形式を出さない方法

抽象的な概念が適切なメタファーによって理解される例を前回の日記で書いたのですが、考えてみると生活の中に「隠れた比喩」は想像以上にたくさんあるのかもしれない。中にはあまりに溶け込んでいて、それが比喩であることをうっかり忘れてしまいそうなものまで。

例えばダイエットの宣伝文句で「脂肪を燃やす」っていう言い方をするでしょ。これって明らかに比喩ですよね。体の中に焼却炉があってそれがぼうぼうと音を立てて燃えているわけでは決してなく、実際は生体内の化学反応によって脂肪が消費されているに過ぎません。ところが「有酸素運動は脂肪を消費させます」とか「唐辛子は脂肪を減らします」というより「有酸素運動は脂肪を燃焼させます」とか「唐辛子が脂肪を燃やしてくれます」いったほうがはるかに説得力がある。運動によって体が熱くなる感じ、あるいは唐辛子の見た目からの連想が「燃える」という語にピタリとマッチするからではないかな。

直接外から見えない複雑な機構を「ブラックボックス化」するためにメタファーが使われることは多く、パソコンにおける耳慣れた用語なんてほとんどがそうだといっていいです。「ファイル」「フォルダ」「ゴミ箱」なんてのは実際はハードディスクに物理的に刻み込まれたデータの構造やそれに対する操作を分かりやすく表現するメタファーです。こういうのは便利であると同時に危険性もある。消したと思っていた情報がハードディスクの中に残っていて情報流出につながることがあるのは、「ファイルを消去する」というのが単なるメタファーに過ぎないことを多くの人が知らずに誤解しているからです。ネット上にある違法な動画をダウンロードするのはまずいけど、閲覧するだけなら問題ないと思っている人でも、「閲覧」というのもメタファーに過ぎず、実質は「閲覧」とダウンロードはほとんど同義だと知れば考え方は変わるかもしれません。(ここはいまだに微妙な問題のようですね。)

分かりやすさが物事の本質を隠してしまうことはよくあることで、それに無自覚になることは非常に怖い。これは学ぶ側も教える側も気をつけるべき問題でしょうね。

今日の一言
分かりやすさは諸刃の剣である

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