- 2007-09-24 (月)
- パフォーマンス
パントマイムをしている人でこの人の名前を知らない人はまずいないであろうフランスのマイミスト、マルセルマルソー氏が亡くなられたというニュースをちょうど昨日東京から帰る新幹線の電光掲示板で知りました。以前来日したときおそらく日本で彼の演技を見ることができるチャンスはこれが最後だろうとささやかれていましたが結局その言葉どおりとなってしまったのですね。パントマイムが市民権を得ているとはいえない日本で彼の死がこれほど大きく取り上げられたこと自体、彼がいかに偉大さなアーティストであったかを説明しています。
ネットニュースには彼の写真が載せられていましたが、この写真をみて「なんだ、どこにでもいる白塗りの道化師じゃないか」って思った人もいるかもしれません。そういう人のために解説しておくと、思わずそういう言葉がでるほどに今では誰もの頭の中に定着している白塗りのマイムのイメージを全世界に広めた人こそ、このマルソー氏に他なりません。その後、このスタイルが多くの人に踏襲され、今ではマイムの代名詞のようになってしまったわけです。確かにパントマイムをやっていますと人に言えば、「やっぱり白い化粧とかするんですか」って必ず尋ねられますからね(笑)。
「The Mime Book」の訳本「パントマイムのすべて」のあとがきにカンジヤマ・マイムさんが書いていたことですが、アメリカでパントマイムが一世を風靡したころ、単に白塗りをして通行人にちょっかいをだすばかりの質の悪い未熟な芸人たちが街のあちこちに見受けられるようになり、大衆のイメージの中に白塗りが「陳腐なもの」としてとらえられる弊害が生まれ始めたそうです。これはたぶん日本にも当てはまることです。とても悲しいことではありますが、普遍性のある素晴らしいものであればあるほど必ずそういう道をたどるものなのかもしれませんね。シェイクスピア劇を生まれて初めて見た老婦人が「ちっとも面白くなかったわ、だって使い古された台詞ばっかりでてくるんですもの」と言ったというアメリカのジョークを思い出します。
僕にとっては雲の上の人でした。一度も生で見ることはできなかったのですが、せめてご冥福をお祈りさせていただきます。
今日の一言
ちなみにマイムをする人のことはマイマーではなくマイミストと言います。
Comments:2
- カンジヤマ・マイム 2008-01-27 (日) 19:52
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余計な事かもしれませんが、マイマーは正しい英語です。パントマイムというのはパントマイミストといい、マイムというのはマイマーというのです。パンとマイマーというのが誤まりであって、マイマーは正しいのです。でも実際英語ではマイムをする人のことをマイムともいい、またマイムアーティストともいいます。このほうがよく聞く表現です。カンジヤマ・マイム
- 池田洋介 2008-01-27 (日) 20:41
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カンジヤマ様
直々のコメント、どうもありがとうございます。
僕の勘違いだったようです。とっても恥ずかしい!ご訂正感謝します。