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街灯の下で

僕の家の近辺は比較的閑静な住宅街で、夜中に自転車で家に帰るとき通る裏道には人や車の往来はほとんどありません。まっすぐに伸びる道路を街灯の光が等間隔にくりぬいています。最近気付いたのですが、毎週同じ曜日同じ時間にその街灯の下の側道のブロックに制服の女子高校生が二人並んで腰を下ろしているのです。もう夜の10時を回っているし、若い女の子が家に帰らないで大丈夫なのかなっとも思うのですが、まあそんなに風紀の悪い場所でもないし、その子達も特別素行が悪そうな感じでもないので、多分この近所に住んでいる仲良しの子が一緒に帰ってきて、別れるタイミングを逸したままここでずっとおしゃべりしてるんだろうなって勝手に想像しています。

なんとはなく絵になる光景です。暗転してる舞台上を天井からのサスペンションライトが丸く切り取っているような感じ。その中に座っている感覚、僕は大好きなんだよね。光の外側の世界からリアルさが失われて、光に照らされた自分の周りだけが自分の生きている世界のすべてになる。自分が世界の中心になったような、もしくは逆に世界の片隅に自分だけが取り残されたような不思議な錯覚。ちょうどキャンプで焚き火を囲んでいるときもこんな感じがするものですね。そういう空間を何人かで共有していると普段話せないようなことも話せるような気がしてくるのです。いつもは横に流れている時間がこのときだけは縦に流れる。

この女の子達が大人になり僕ぐらいの年になって高校時代を振り返ったとき、鮮明に思い出すのはこうして2人で喋っている今この瞬間なんじゃないかな。何を喋ったのかなんて全く思い出せなくても、街灯に切り出されたこの小さな空間の持つ空気の手触りやにおいは記憶に刻み付けられていると思うのです、きっと。

舞台という空間の魅力は、きっとこれに近いものなんだと思うな。見る人にとっても演じる人にとっても。

今日の一言
光と影が生み出す魔力

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