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限りなく

映画「ノッティングヒルの恋人」の中で主人公が電話越しの相手に向かって自分の同居人がいかにバカなやつであるかを説明するシーンがある。

「いいか、お前の頭の中にこれ以上はいないって言えるぐらいバカな奴を想像してくれ。した? OK、じゃあ聞いて。俺の同居人はその2倍バカなんだ

これは彼の同居人が「限りなく」バカであることのとても説得力のある説明となっている。

「限りなく0に近い」「限りなく大きくなる」など、数学においても「限りなく」という言葉は頻繁に登場するが、よく考えると「限り」が「ない」とはどういうことだ。分かったようで分からない言い回しだ。これに厳密な定義を与えるとき、数学ではこの映画の主人公と全く同じ物言いをする。

例えば「限りなく大きくなる数」というのは

「いいか、お前の頭の中にとてつもなく巨大な数を想像してくれ。もうこれ以上の数は誰も想像できないだろうというくらい大きな数だ。したな。よし、この数はそれより大きくなるんだ」

と定義される。

ちなみに村上龍のあのデビュー作も数学的には「あなたの頭の中に想像できるこれ以上ないほど透明なものよりも透明なブルー」となる。