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平行線の公理

ユークリッドが幾何学を組み立てるにあたりその土台に据えた5つの公理の中の最終公理。大雑把に言えば「ある直線と同じ角度で交わる2つの異なる直線(平行線)はどこまでいっても決して交わらない」。この公理から中学生なら誰もが知っている「三角形の内角の和が180度」が導かれる。

この公理は他の公理(2点を結ぶ直線が引ける、線分を延長して直線にできるなど)に比べて露骨なあたりまえ感は薄く、早い段階からこれは他の公理から証明することが可能なものではないかと疑われていた。ところが19世紀にガウスやリーマンなどの数学者によって、平行線公理が独立した公理であること、それどころか平行線公理を否定した矛盾のない幾何学(非ユークリッド幾何学)が存在しうることが発見されてしまう。これはユークリッド幾何学の体系を唯一絶対のものと信じていた数学者にとって驚きであったとともに、これを公理に採用したユークリッドの洞察の偉大さが改めて強調されることにもなった。

ちなみに「対立する意見をもった2人の人間の議論はどこまでいっても決して折り合いがつかない」は第2平行線公理と呼ばれ、サラリーマンの世界では誰もが認めるものとなっている。