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鳩ノ巣原理

11羽の鳩が10個の巣箱に入った。どの鳩がどの巣箱に入ったのかは全く分からない、にも関わらず分かることがひとつある。少なくともいずれかの巣箱に2羽以上の鳩がいるということである。

これが鳩ノ巣原理。部屋割論法、抽き出し論法などと呼ばれることもある。ともすると当たり前に思える単純な原理であるが、何かの「存在」を示すのに意外と強力な武器になる。

よく使われる例だが「大阪市内には髪の毛の本数が全く同じ人が存在する」。にわかには信じられないような話だが簡単に証明できる。人の髪の毛の数はどんなに多く見積もっても20万本以下であることが知られており(平均10万本)、それに対して大阪市の人口は26万人(平成21年5月現在)。26万人の人を20万個の部屋に髪の毛の本数に応じて分類すればどこかに相部屋ができる。その相部屋にいる人の髪の毛の本数は等しい。

ただし、大切なことは存在が保証されるからといって実際にそういう2人を見つけ出し劇的な出会いをさせることは絶望的に不可能だということ(最もスキンヘッドなら話は簡単だが)。数学における典型的な「存在定理」だ。

バリエーションも簡単に作れる。10部屋しかないラブホテルに客が21人入ったとするなら、少なくともどこかの部屋がややこしいことになっている。

たった2つの数字だけでこれほどに妄想を膨らませることができる人間って素敵だ。いやほんと。

鳩ノ巣原理は人間のもつ最大の武器「論理」と「想像力」の巧みな融合である。