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有理数

整数/整数という形の分数で書き表せる数のこと(もちろん分母は0であってはいけない)。

有理数同士の足し算、引き算、掛け算、割り算の答えはすべて有理数の中で調達できるという意味で、「有理数は四則演算について閉じている」という。

異なる長さの2本の棒があったとき、この2つの棒の長さの「比」は必ず2つの整数の比で書き表すことができるであろうか。できると考えるのが自然な気がするが、実は正方形の1辺とその対角線なんていうシンプルな図形の長さの比ですら、それが不可能であることに人類は気づいてしまう。長さという図形量に対応させる数として「有理数」という枠組みは不完全だったのだ。

ちなみに有理数は英語で「rational number」と言う。これを誰か偉い人が「理にかなった数」と訳し「有理数」と命名した。しかし上の説明からもつながるようにrationalは「ratio(比)がある」という意味でとるのが正しい。気づいたときにはもう手遅れなほど広まっていたのか、あるいは偉い人があまりに偉すぎて誰も言い出せなかったのか、この数学用語はいまや日本の数学界において最も有名な誤訳として定着してしまった。

関係ないが僕も大学のレポートを書いているときに「positive number(正の数)」を「積極的な数」と訳してしまったことがある。おそらくなんの躊躇もせず女の子の携帯番号を聞いたり、コンパの幹事を進んで引き受けてくれたりするような数なんだろうと。もし僕が数学界の重鎮であったら「積極数」「消極数」という言葉が定着していただろう。危ないところだった。