« 微積分学の基本定理 | メイン | 無理数 »

カントールの楽園から我々を追放するようなことは誰にもできない

19世紀から20世紀の数学の巨匠ヒルベルトの言葉。カントールというのは同時代を生きた数学者。彼が作った楽園とは「集合論」のことで、決してヌーディストビーチとかではない。

現在では数学の中核として揺るぎない地位を得ている集合論も、当初は全く受け入れられず、カントールは迫害に近い扱いを受けこの世を去る。時代に先んじたアイデアがそのような運命をたどることは残念ながらよくあるのだ。

縄文時代に初めてコメを食おうとした奴を想像してみて欲しい。あんな硬いものが食えるわけねえじゃないかと周囲はドン引き。言い出した奴はさんざん馬鹿にされ、いつしかみんなの前から姿を消してしまう。

ところが彼が残した料理メモを冗談半分で試みた誰かが、あれ、これ以外とありなんじゃないかと気づく。周りも半信半疑で食べてみる。ん、悪くない。っていうか、うまい。

コメの料理法はどんどん改良され、瞬く間に主食の地位を占めるようになる。そこまできて誰かがこう宣言する。

「ほっかほかの白ごはんの楽園から我々を追放するようなことは誰にもできない」

ま、概ねそういうこと。

あれ、俺を追放したのはどこの誰だっけ、というカントールの嘆きが聞こえなくもない。