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微積分学の基本定理

微分と積分が正反対の操作であることを主張する定理。

数ある数学の定理の中でも「基本定理(fundamental theorem)」と銘打たれたものはそれほど多くはない。各分野において特別な重要性を持つ定理だけに与えられる永久欠番のようなものであろう。なるほど、この定理のもつ普遍性は解析学の屋台骨を支えるにふさわしい。

とはいえ、現在の高校数学においては積分は初めから微分の逆演算として教わるので、その立場から言えばこれは定理ではなく、定義そのものとなる。何を当たり前のことを声高らかに宣言しているのだと不思議に思う学生も多いであろう。

歴史的な経緯を言えば、微分と積分が発展してきた道のりは全く違うのである。それがお互い対になる考え方であるということを見出したのは数学にとって画期的な出来事だった。第1話からずっと親友だった男が最終話の1つ前の回で実は生き別れた兄弟だったことを知ったようなものだ。微分と積分のソナタ。

当時の数学者が味わったであろうこのカタルシスを現在の高校生はきちんと感じ取れているであろうか。現在の教育課程は連続ドラマのオチを始めから教えてしまっているようで何となく味気なく思えてしまう