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代数学の基本定理

すべての代数方程式は複素数の範囲で解を持つ

天才数学者ガウスの若干22歳の学位論文である。

実数の閉ざされた世界では代数方程式は解を持つこともあれば持たないこともある。ところが複素数まで数を広げると、すべての代数方程式の解はその中で完全に自給自足されてしまう。

数学者が腫物を触るかのように扱ってきた虚数という数にこれ以上ない合理性を与え、複素数こそが数の拡張の旅路の終着駅であることを示した記念碑的な定理である。

この定理の持つ面白い特徴は解が存在することを保証しているにも関わらず、それを具体的に求める方法についてはなんら言及していない点である。数学ではこのような定理を「存在定理」と呼ぶ。例えるなら占い師に「あなたはいつか死ぬでしょう」と言われているようなもの。占い師の言うことは100パーセント正しいにも関わらず、いつ死ぬのかについてあなたはなんの情報も得ていない。

意味があるのかって? 数学者は存在を知るだけで十分満足することができる人種だ。それを見つけるのは、、きっと工学者がやってくれるだろう