池田洋介日記帳
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2005年1月9日(日) アナタよりソナタ
昨年は冬ソナ旋風が吹き荒れ、ヨン様を追っかけるという珍しい生態をもったおばちゃんたちの姿がテレビに何度も映し出されました。ちなみにこの冬ソナ、僕は一度だけ不覚にも見てしまったことがあります。最終回のときに運悪くチャンネルがNHKに合ってしまったのです。まったく話のつながりはわかりませんでしたが、それでも突っ込みどころ満載、サービス精神旺盛な作品だということは十分分かりました。ふーん、これにはまる人もいるんだねーと人事のように思っていたのですが、正月に実家に帰って不穏なものを目撃。壁に貼られたいやーに見覚えのある女の人のポスター。次の瞬間母親から衝撃の一言が、、。

「最近はまってるのよ。冬ソナに」

いたよ、こんなところに。

一人盛り上がる韓国トークに適当に合わせていたらちょうど姉夫婦が帰ってきました。あー、助かった。お願いだからこののぼせてる母親になんかいってやってくれ。

「あ、お母さん私冬ソナのDVD全部もってるよ。」

完全孤立無援。

なんなんだこの恐ろしい感染力は。あの眼鏡からサブリミナル光線でもでているのか?

「あの韓国語がいいのよねー。」
「韓国語習いに行こうか。」


そうか秘密は韓国語にあったのか!ってことは力強く日本に謝罪を求める北朝鮮のおばちゃんにも熱烈な追っかけファンがいるに違いないね。もはや何を言っても意にも介さず、さらに盛り上がる韓国トーク。そしていやおうなく再生される冬ソナDVD。おいおい、見るのかよ1話から。

注目のヨン様は物語の中盤で衝撃の登場を果たします。数学の授業でこの問題解いてみろといわれて黒板の前に出され、みんなが見つめる中すらすらと問題を解くヨン様。先生はびっくりして聞きます。

「これは見たこともない公式だ。誰が考えた公式なのかね。」
「私ですけどそれが何か?」


ありえーねーよ、そんな大学の授業。

うん、もう大体分かった。たぶんあとは生き別れた双子の兄弟とかがでてくるのね。そして一緒に甲子園を目指すのです。その後はもう宇宙にでも魔界にでも勝手に行っていただければと思います。

正月から素敵な作品を見れて幸せです。
2005年1月15日(土) マグニチュードと指数感覚
スマトラ沖地震のマグニチュード(M)は9.0、一方阪神淡路大震災のマグニチュードは7.3。ここ最近はよく地震専門家がニュース番組にでてきて「スマトラ地震の規模は阪神大震災の400倍から1300倍とも考えられてます」とこの地震の規模の大きさを説明しています。しかしこれを聞いておや?っと思う視聴者は少なくないのではないかと思います。実際それを聞いているニュースキャスターもやや釈然としない表情を浮かべていましたから。その理由はおそらくマグニチュードの数値とその大きさからイメージする規模が実感とあまりにもかけ離れているからです。おそらく理科系の研究者なら誰もがあたりまえのように持っている「指数感覚」が一般にはほとんどなじみのないものだからでしょう。

考えてみれば私たちの日常生活の中に使われる数値はその多くが「比例感覚」で捕らえられるものです。例えばスーパーでお肉を買うとき100グラム200円と書いてあれば、買物に慣れた人なら150グラムなら300円、200gなら400円と直感的に認識します。金額とそれに伴ってもらえるお肉の重さは比例です。そのほかにもタクシーや電車で進む距離とその運賃、労働時間と賃金など基本的にはすべて我々のもつ「比例感覚」に暗黙の上に根ざしています。その感覚で上記のマグニチュードを捕らえると、スマトラ地震は阪神大震災より2割から3割くらい大きな地震だったんだなというくらいのイメージしか浮かびません。しかしそれは大きな勘違いなのです。

「指数感覚」とは分かりやすく言えば「クイズミリオネア」的な感覚です。あの番組は正解した問題数に比例してもらえる金額が増えていくのではありません。5問正解したら10万円ですが、10問正解したら100万円、15問正解したら1000万円。1問違うだけでもらえる金額は2倍ほど違うのです。これがまさしく「指数感覚」なのです。この番組が成功したのは、普段なじみのないこの感覚を巧に取り入れスリルを増す演出上の道具として活用したことにあると言ってもいいでしょう。一方でこの感覚のズレは悪用されればこれほど恐いものもありません。その典型的な例が「ねずみ講」や「高利貸し」です。複利計算による金利は「指数感覚」で増えていきます。5ヶ月目で1万円だった利息が7ヶ月目で100万円になっていたとしても決して驚きではないのです。スーパーでお肉を買っているのとは全く別の感覚だと思わなければ痛い目にあいます。

科学計算で使われる数値の中には水素イオン濃度(pH)、星の等級など指数感覚によって捕らえるものがあたりまえのように浸透しています。地震の規模を表すマグニチュードもその一つなのです。マグニチュードの測り方はいろいろな基準があるのですが、高校の地学の教科書にはマグニチュードは大きさが2違うとその規模が1000倍違うと書かれています。1000はおよそ2の10乗(=1024)ですから、マグニチュードが0.2違うとその規模は2倍違うと考えて構いません。そのことを踏まえて冒頭のマグニチュードの数値を比較すれば、スマトラ地震がいかに桁外れの規模の地震であったかということに改めて驚かされるでしょう。

今後地震のマグニチュード(M)を見るときは、クイズミリオネア的感覚を思い出してください。(トリビア的まとめだ。。)
yosuke@juggling-donuts.org
 
 
 

Akiary v.0.42