池田洋介日記帳
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2004年10月26日(火) 素敵な本
本を書きたいな。とふと思いました。
一般書店の本屋さんに並べられるようなちゃんとした本。

小説を書く才能があるとは思えないので、書くとしたら参考書みたいなもの。大学受験にしろ、資格試験にしろ、もっと読んで面白い、そして感銘すら与えることができる参考書ってのがある気がするんですよね。実用書で最後まで読みきれる本って意外と少ないのです。数学の専門書なんてなればなおさら。

僕には大学時代に読んだ数学の本の中では志賀先生の30講シリーズに非常に感銘を受けました。日常感覚に根ざした語り口で生き生きとした数学の姿を浮かび上がらせる文章。特に感動したのは「集合への30講」という本の中の巻末の最後の一節。

「実際、無限とはなんであろうか」

この本はカントールが築きあげた集合論の基礎、そしてその根幹にある無限の概念を初学者向けに30講にわたって解説したものです。無限の奥の深さと魅力をこれでもかと語り尽くした後に、すべてをこの深い深い疑問符で締めくくるのです。数学ってすごい。心からかっこいいと思えた数学書の一つです。

分かりやすい説明。それは果たして素晴らしいことなんだろうか?ものを教えていていつも感じる矛盾ではあります。そもそも数学ってそんなに分かりやすいものではない。だからこそ学び考える価値があるものなのではないのかと。

甘いオブラートに包みながら分かったつもりにさせるのは本当は教えることではないのですよね。深い闇の中に突き放し、それでもなおそこから自分の一歩を歩みだしたいと思わせてこそ教育です。

そんな素敵な本が書いて見たい。と最近結構本気で思っております。
yosuke@juggling-donuts.org
 
 
 

Akiary v.0.42