池田洋介日記帳
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2003年2月2日(日) ディレクターズカット
最近(って言ってもすでにすこし時代遅れな感もあるが)映画のディレクターズカットが妙にはやってたでしょう。11月ごろに梅田で「アマデウス」のディレクターズカット版をやっていたので見に行ってきました。それがアマデウスをみた最初だったのですが、うわさに違わず素晴らしい映画でした。ただそのときの上演時間が3時間近くあって、正直あと30分短くてもいいのではと感じたのも事実です。

でこの間DVDでアマデウスの「原版」を借りて見比べてみました。で、感じたのは映画としてみたとき「原版」の方が圧倒的にいいのです。「ディレクターズカット」であったいくつかのエピソードは削られているので、当然ながら展開の唐突なところや人物の掘り下げが浅い部分があったりするのですが、むしろその部分を見ている人の想像にゆだねていて、奥行きが感じられます。そういえば「LEON」の完全版でも同じことを感じたっけ。

「原版」と「ディレクターズカット」を比べてみると、そこに監督の苦悩を感じられて興味深いです。基本的に作品って言うのは引き算で作らなければいけないところ。これって舞台や大道芸を作るときにも言える事だからね。「このシーンも入れたい」「あのシーンも入れたい」って、やりたいことを全部やっても決してそれがいいものにはならないのです。どれだけこだわりや愛着があってもそれが作品全体としてみたときバランスを壊すものであれば、泣く泣く切っていく。その苦悩の末に公開に踏み切っているのが「原版」なのだから、そちらのほうが作品として優れているっていうのはあたりまえのことなんだと思いますね。

何かのパントマイムの本で読んだ次の言葉はパフォーマーにとって痛切な真理です。
「ひたすらシンプルにせよ!それが本質を壊してしまうぎりぎりまで。」
2003年2月8日(土) 高槻駅で
最近風邪気味で体調がすぐれないのですが、いまはやりの風邪とやらにとうとうつかまってしまったかも。

その風邪のせいか、こないだ高槻駅で一瞬意識をなくして倒れてしまいました。いや、あれはビックリした。電車に乗っていたらものすごく気分が悪くなって、これはまずいと思って高槻で電車を降りたのです。降りて数歩歩いたのですが、何故かものすごく視界がぼんやりしているのです。最初は霧かなんかが立ち込めてるのかと思ったら、次の瞬間には視界が真っ白になって、気づいたら倒れていました。もちろんすぐに意識は戻って、駅員さんが「大丈夫ですか」といいながら慌てて駆け寄ってくる声が聞こえてきました。結構周りにもお客さんがたくさんいたし、ビックリしたやら恥ずかしいやらで。

よく学校の運動場なんかで熱さで倒れてしまう人とかいたけどこんな感じなんだなっていうのがよく分かった気がする。まあ、最近仕事が忙しかったり、あまり栄養をとってなかったりといろいろ不摂生が祟ったのなと反省です。
2003年2月10日(月) 物理
ようやく風邪も小康状態になったようで、もう一晩寝れば回復しそうな気配。

もうすぐ恒例の金沢工業大学の講義が始まるので、それに向けて物理の勉強をしていたのですが、大学時代はほとんど意味不明だった物理の話が今見てみるとすんなり頭に入ってきて楽しいのです。いまさらながら慣性モーメントの仕組みを知ってかなり感動。なるほど、2次形式の主軸変換なんてのはこんなふうに使われているわけね。

今日は線形代数とベクトル解析を一通り復習してかなり賢くなった気分。またこれで知恵熱でもださねばいいが。。
2003年2月14日(金) 数字の性別
僕は何故か子供の頃から数字には性別があると思っていました。

1,3,5,6,8,9,10,11 が男で、2,4,7,12が女。

これは多分子供の頃に時計の文字盤を眺めながら勝手に決めていたことだと思うのだけど、その根拠は全くわかりません。でもなぜかそう確信していたのです。小学生くらいに友達にその話をしたら「なにそれ?」という反応をされ、え、これって常識じゃないんだということに気づき始めました。

でも幼い頃からの思い入れと言うのは恐ろしいもので、大人になった今でも3を見ると男に見えてしまうし、2を見ると女に見えてしまう。うーん、なぜだろう。その深層心理を知りたい。

昨日(とある事情で)時計の文字盤を散々見ていたらふと思い出しました。
2003年2月20日(木) 一芸
早いもので河合塾グリーンコースの今年度の授業が今日で終りました。あっというまに過ぎてしまった感じですが、生徒の評判もなかなか高く、来年度から授業も大幅に増えて、まずまずの成果のあった1年でした。

で、今日が最後の授業と言うことで生徒へのサービスに一芸を披露してきました。いやいや、むちゃくちゃ盛り上がりました。ふふふ、まあなんたってこちら

本職ですから

そこらの予備校講師が生徒の受けを狙うためににわかじこみで覚える一発芸とはわけが違います。はい。

本職と言えば、1年ぶりの新作にぼちぼち取り掛かっております。今回のテーマは「子供が楽しめるもの」ということで、最近のやつはシュールなやつばっかりだったので、見て分かりやすい大道芸向けのネタを目指しています。営業もちょっとずつ入れていきたいしね。課題が山積みなのですが、乞うご期待!
2003年2月26日(水) 前期入試
今日は国公立大学の前期入試1日目ということで、朝から予備校待機。問題が入手出来次第速答をつくり始め、期限までに原稿を仕上げるという、ある意味予備校にとって最も過酷な試練の日です。新聞にも載る解答なので万が一にも間違うわけにはいかにというわけで、1つの大学に数人の講師がついて作業にあたります。

やはり各大学とも入試問題はかなりの力をいれて作っているわけで、その思惑を推し量りながら問題を解いていく作業と言うのはなかなか楽しいものです。同じ講師同士でも解き方や流儀の違いがあって議論が巻き起こることもたびたび。

注目の今年の京大の数学ですが、昨年に比べればましかもしれないけど、やはり正直物足りないという印象です。”こんなことが成り立つんだ”と新鮮な驚きを与えるセンスのいい問題が例年あるものなのですが、今年も昨年同様計算演習的な平凡な問題が目についてしまいます。(と、いっても問題自体は決してやさしいわけではなく、むしろ得点するのは難しい問題が多いのですが。。)

その点阪大の問題は数学的には非常に興味深い問題が多かったです。単純な計算問題ではなく、本質的な部分を分かっていないと解けない(逆に分かっていればほとんど自明な)問題が多くありました。ただこれを受験生に解かせるのはちょっと酷かなという気もしましたが。印象として京大と阪大の傾向が逆転している感があります。今年の阪大の問題を見せられて、これが今年の京大の入試だよと言われたら、納得してしまいそう。

受験問題としては京大の問題はそこそこの得点差は開くでしょうが、阪大はそれほど数学では差はつかないでしょうね。おそらく今年の阪大受験生はいまごろ眠れぬ夜をすごしているのではないかと。。かわいそうに。
2003年2月27日(木) sign
いまレンタルビデオ屋さんに行くと、「SIGN」(サイン)という映画が新作ででています。去年の夏くらいに劇場公開されていたもので、「シックスセンス」のN.シャラマンの最新作品です。

この映画は非常に思い出深い映画です。ちょうど去年のJJFで東京に行ったとき、1日暇な時間があったので池袋で時間をつぶしていたのですが、そのときこの映画をやっていたので見てみることにしました。実は1人で映画館に入るのはこのときが生涯2回目。

N.シャラマンというと「シックスセンス」でおなじみになった「伏線を張り巡らして、衝撃のラストシーン」という構成で有名なのですが、今回も序盤から何か仕掛けがあるにおいがぷんぷんしておりました。途中何か少しやばい感じがしたのですが、その”衝撃のラストシーン”に備えて期待に胸を膨らませておりました。物語はいよいよ佳境に入り、そして、いよいよ来ました。待ちに待った衝撃のラストシーン!!!!!


衝撃でした



映画館の中でエンドロールを見ながらしばらく呆然としました。

この監督は本気でこの作品を作ったのだろうか?

多少控えめな表現をしますと、僕が今まで見たくだらない映画をすべてあわせても、この映画のくだらなさには勝てないのではないかと。いや、もうダントツ1番です。生まれて初めて”お金を返せ”と思った映画でした。

とまあ、レンタルビデオ屋のチラシを見ながらそのときの気持ちを思い返していたのですが、今になって振り返ってよくよく考えてみれば、"見方を間違えなければ"それほど悪い映画でもないのかなと。例えば最初からエドウッドのB級SFホラーを見るつもりで見ていれば、それなりの満足感を得られていたはずです(僕はB級映画が悪い映画だとは少しも思っていませんので)。悪いのは間違った見方をあおっている広告会社のほうではないかと思ってしまいます。あまりに広告から受ける印象と内容が異なっています。

1800円払う価値はないですが、350円なら払って見てみてもいいのではないでしょうか。ただしくれぐれも"見方"を間違えないように。
yosuke@juggling-donuts.org
 
 
 

Akiary v.0.42