池田洋介日記帳
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2002年9月1日(日) ああ、やるせない
横浜・みなとみらいランドマークの広場での大道芸が禁止されたというニュースがジャグリング界を賑わせておりますが、なんともやるせないお話です。僕はこの場所で大道芸を見たことも、演じたこともないのですが、横浜に住んでいる友達からあそこで大道芸をみたけど面白かったなんて話はよく聞いていました。見る側にも演じる側にも絶好のロケーションで毎日多くの人でにぎわっていたようです。

大道芸は公の場所での営業行為ということで日本の法律では本来違法なものです。でもたくさんの人が楽しんでいるならということで横浜市はいわば黙認をしていたわけなのです。その辺は野毛の祭などで大道芸に理解のある都市ならではの粋な計らいなんだなと感心していたのですが、その横浜市が今回の強行措置に踏み切ったきっかけはそこで大道芸を見た人から寄せられた苦情が原因だったといいます。
(前略)だが、市北部公園緑地事務所に二十八日午後、大道芸を見ていたという女性から苦情の電話がかかってきた。あるアーティストが、自分の呼び掛けに反応を示さない人を指して「あんな大人になってはダメ」などと子供たちに言ったという。(神奈川新聞記事抜粋)
ああやるせない。。。だって。。

どう考えたってシャレやん

もちろん言い方が悪かったのかもしれないし、その場の状況を見ていない僕には分からないこともあるのでしょうが、どう考えてもこの芸人が本気でその人を侮辱しようと思って言った台詞ではないだろうに。実際お客さんをちょっとネタにして笑いを取る手法はよくあるもので、そりゃ真に受ければ失礼なこともたくさんあるわけですよ。でもみんなそこは冗談であることを百も承知の上で笑い、楽しむわけです。それが客との距離が最も近い大道芸と言うものの最大の魅力だと思うのです。

もちろん芸人サイドとしてもそのことが客を不愉快にさせることと隣り合わせであることは反省し自覚しなければならないのだなということはあるのですが、「それにしても」という思いは残るでしょう。そんなたわいもないシャレを真に受けて、しかも一足飛びに横浜市に苦情をいうなんてどう考えたっておかしかないかい。そりゃ本来違法という弱みがあるから1000人の歓声より1人の苦情のほうが横浜市だって怖いでしょうよ。でもだからといって大多数の人に愛されていたに違いない大道芸を完全に禁止してしまうというのはあまりにおかしくないかい。

ああ、やるせない。シャレの分からない人が世の中をどんどんつまらなくしています。
2002年9月3日(火) シュールとは何か
「シュール」という言葉は昔からよく耳にするんだけど、そういえば「シュール」ってどういう意味?って聞かれると何も説明できないのに気づきました。"なんとなくかっこいい感じ"というぐらいのイメージしかないのです。で、最近ふとしたきっかけでこの言葉の意味を調べてみたのだけど、いろいろな意味で衝撃を受けました。

まず国語辞典でこの言葉をひくと真っ先にこう書いています。

シュールレアリスムの略

そう、まず驚いたのはこの言葉が略語であったということ。しかもシュールレアリズムというのは日本語に訳せば「超現実主義」ということだから

シュール=「超」

なのです。この略語のあまりのナンセンスさは少し笑えてしまいます。まあ、ある意味「携帯電話」「携帯」と略するのと同じようなものでしょうか。

なにはともあれ日本語でシュールと言ったらシュールレアリスム=「超現実主義」を指すということは分かりました。「超かっこいい」なんて言っている女子高生なら意味を完全に取り違えてしまいそうですが、辞書によれば

理性をしりぞけ、夢や幻想など非合理な世界を表現すること

とのこと。"現実を超越する"という意味ですね。"かっこいい"なんていう意味は全くないことにまた驚き。しかしなるほど確かにシュールと言う言葉を芸術作品に対して使うときはそのニュアンスはよく分かります。物事をあるがままにとらえる「写実主義」に対する「超現実主義」というわけで、例えば高橋さとみさんの切り絵なんてまさしくシュールな作品といえますね。大道芸のパントマイムでよくある、突然壁が現れて迫ってくるというシテュエーションもシュールそのものです。非合理の中に意味を見つけるなんてテーマは比較的最近のもので、それが新鮮でかっこよいものと受け止められ、「シュール」=「かっこいい」という図式が生まれてきたというのは想像に難くありません。この「かっこいい」イメージだけが一人歩きしていて

「彼の生き方はなかなかシュールだ」

とか少しずれた意味で使われ始めたのでしょうね。

でも意味をちゃんと知ってみると僕好みの言葉です。今がんばって大道芸のソロ手順を作っているんだけど、この手順のテーマは「シュールな大道芸」ということにしようっと。
2002年9月9日(月) 学園祭
本日洛北高校の文化祭で僕のパントマイム弟子第1号たちが演技をするというので、わざわざ朝早く起きて見に行って来ました。高校が大きくてきれいだったのにまずびっくり。入り口を入るとステージがあって、そこですでに他のクラスのパフォーマンスが始まっていました。

ひさびさに高校の学園祭なんて見ると

あー、若いって素晴らしい


っていう気にさせられます。ステージにいる人たちだけでなくて、裏方で走り回っている人とか、観客席で盛り上げている人とか見ていて本当に楽しそう。まあ、これだけ生徒がいれば全員がやりたくてやっているわけではないんだろうけどね。それでも打算を超えたわけの分からないエネルギーみたいなものがひしひしと感じらて気持ちいいのです。

いよいよ3年5組の出番。見ているこっちが緊張してしまいましたけど、みんな練習の成果を存分に発揮して、むっちゃ面白いパフォーマンスになっていました。観客の反応も結構よかったしね。最後の大きな拍手には自分が出たわけでもないのにちょっと感動してしまいました。

帰ろうとしていたら教え子たちがやってきて、色紙を手渡してくれました。そこにはメンバー全員からの感謝の言葉がいっぱいに書かれてて、そんな大したことをしたわけでないのに妙に照れてしまいました。これから受験でどんどん大変になるだろうけど、もし勉強に飽きたらいつでもドーナツに遊びにきてくださいませ。本当に遠慮なく。

がんばれ、ワカゾー!

yosuke@juggling-donuts.org
 
 
 

Akiary v.0.42